子育ての悩みは、子どもの成長によって変わってきますよね。
特に、「ママと子どもの距離感」。
子育て中のママにとっては、永遠のテーマのひとつではないでしょうか。
生まれた時からずっと近くで見守ってきたママにとっては、「できれば、目の届く距離でずっと子どもを見ていたい」と思うもの。
私も、「例にもれず」です。
ムスメの成長とともにどんどん変化するムスメとの距離感に、いつも戸惑いを感じて「ほどよい距離感」をなかなか見いだせずにいました。
近すぎる距離は、ママも子どもも疲弊する
我が家の場合、幼い頃に自閉症スペクトラムの診断を受けたムスメは、とても傷つきやすいのに感情を表現することがとっても苦手。
そんな彼女のことがとにかく心配で、
と、知らず知らずのうちに、肩に力を入れて子育てをしてきました。
集団生活が始まる幼稚園や小学校に入ると、彼女が困ってフリーズしてしまわないように、常に先回りをして手を差し伸べてきました。
多分、学校や周囲からは、かなりの「過保護ママ」に見えたと思います。
そんな過保護ママとの距離感に、”生まれながらの夢見る自由人”のムスメは、とても窮屈に感じていたでしょう。
同時に、私自身も想定外のトラブル続きの子育てでいつも余裕を見失っていて、毎日がとても辛いものでした。
最終的には、私とムスメの間で、だんだんとコミュケーションのかけ違いが勃発しはじめました。
近すぎる距離は、お互いを疲弊させただけ。
そこから、ムスメとの距離をどのように変化させていくのかが、私の子育ての課題になっていきました。
近すぎず、離れすぎずの「ほどよい距離感」とは?
つい先を見越して手を差し伸べようとしたり、ムスメに注意したくなる場面が、今でもたくさんあります。
でも、ムスメが中学に入学したことを機に、ほんの少しずつ、手を差し出してしまう回数を意識して少なくしてきました。
自閉症スペクトラムのムスメは、健常のお子様に比べるとゆっくりではありますが、彼女のペースで成長しています。
実際に、「今は、まだ私(ママ)の出番じゃない」と思える場面も増えてきましたし、ムスメ自身の力で、目の前の壁やトラブルを乗り越えることも少しずつ増えてきました。
いまでは、ムスメの見えないところでのサポートはしつつも、彼女の判断でなるべく何事も乗り越えられるように、いつも一歩、二歩下がったところから見守るようにしています。
ムスメとの距離に余裕を持つようにしたところ、ムスメも息苦しい窮屈感から解放されてのびのびとしてきましたし、なにより、私自身に子育ての余裕が戻ってきました。
でも、まずは、ママが「子育ての余裕」を意識してみることから始めてみるのもよいかもしれません。
ママが絶妙にコントロールしながら成り立っている「ほどよい距離感」ほど、子どもとの円満な関係を築けるだけでなく、子どもの大きな成長につながるのですから。
ただ同じ空間にいるだけでいい!リアルな心地良い距離感も大切
私とムスメの共通の趣味は、読書。
家で同じ部屋にいても、おしゃべりするわけでもなく、黙々とそれぞれに自分の本を読んでいることがよくあります。
お互いに干渉するわけでもなく、一見とても淡泊で無関心のように見えますが、同じ空間にいるだけで、なんとなくお互いの気配や存在を感じ取って安心しています。
話をするだけが、ママとムスメのコミュニケーションじゃない。
ただ、同じ空間にいるだけでいい。
ちょっとあっさりめなリアルな距離感が、過保護ママとムスメの関係にはとても大切で心地良いものとなっています。
このほどよい距離感で、過保護ママとムスメのほどよい関係をしばらくの間キープすることができそうです。
<画像提供元:ぱくたそ>